豊中市の個人事業主、中小企業を営む事業主の皆さん、ホームページ制作に使える補助金があることをご存知ですか?
IT化促進補助金は令和4年(2022年)に誕生した補助金ですが、令和6年(2024年)も引き続き申込受付が開始されております。

令和6年度IT化促進補助金の申込み受付開始(令和7年1月31日締切)|豊中市

補助額は最大10万円、補助対象経費は合計額の2分の1(昨年度は3分の1)なので、そんなに額が大きい補助金ではないですが、申請は他の補助金に比べると比較的簡単で、IT専門家にホームページの相談も無料でできるお得な制度です。

ぜひ活用をご検討ください!

補助金の対象者

まずは自分が対象者かどうか気になるところですよね。
募集要領には

IT コンシェルジュ派遣事業における IT コンシェルジュから対象事業に該当する事業を提案された市内の中小企業者

令和 6 年度(2024 年度)豊中市 IT 化促進補助金募集要領

とあります。

これは後ほど説明しますが、ITコンシェルジュというIT専門家と面談し、補助金の活用内容について提案と承認を受ける手続きが必要です。
この手順を経るということを意味します。

また、注意書きとして以下のように書かれています。

市内の中小企業者とは、次のいずれかにあてはまる者とします。

  1. 中小企業基本法(昭和三十八年七月二十日法律第百五十四号)に定める中小企業者
  2. ビジネス的事業運営に取り組む NPO 等(※法人税法上の収益事業を営んでいる者)

申込者は、豊中市税を完納している必要があります。 ただし、非課税または免除の場合は納税しているものとみなします。

宗教活動及び政治活動を主たる目的とする者、暴力団・暴力団員・暴力団密接関係者、風俗 営業を営む者及びその他社会通念上、公的補助金を受けることがふさわしくない者は除きます。

令和 6 年度(2024 年度)豊中市 IT 化促進補助金募集要領

中小企業者と書かれているので個人事業主は当てはまらないように思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。個人事業主でも対象となります。
豊中市に市税を納めている事業者さんであれば、たいてい当てはまると思います。

また、商工会議所が窓口になっているので、商工会議所の会員でないといけないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、会員でなくても対象者となります。

補助金の申込期間

申込期間は令和6年4月26日(金)~ 令和7年1月31日(金)となっています。
申込前にまずは窓口である豊中商工会議所に相談が必要なので、締切間際に申し込もうと考えていますと間に合わない可能性がありますのでご注意ください。

その他、事業実施期間というものがあり、これは交付決定日から令和7年3月31日までに事業の効果検証をする期間も有します。
「導入後、概ね1ヶ月以上は効果検証を行ってください」と書かれていますので、それくらいの効果検証期間を設けるのを想定してお取り組みください。

どういうホームページ制作が補助金交付対象になるか

この補助金は「IT・WEB活用事業」と「IT人材育成事業」の2種類の種別があるのですが、僕は「IT・WEB活用事業」の種別のさらに「ホームページ制作・改修(高機能化)」のみに関わって知っているので、そこに特化してご紹介させていただきます。

補助金交付対象になるには以下のいずれか1つには最低限取り組む必要があります。
既に全て対応済みの場合は対象外となります。

取り組み項目取り組み例
レスポンシブ対応スマホでHPを見たときにPCと同じように表示される場合、レスポンシブ対応がなされていません。
レスポンシブ対応とはスマホに最適化してページを表示させる対応です。

PCとスマホで別のページを表示している仕組みの場合、それはレスポンシブ対応とは言いません。

1つのページファイルをPCで見ればPC用のレイアウトに、スマホで見ればスマホ用のレイアウトに自動的にレイアウトが切り替わるのがレスポンシブ対応です。
セキュリティ対策の実施・WordPressを使用している場合にバージョンが低いままになっているのでバージョンを上げる

・レンタルサーバーのphpのバージョンを上げる

・SSL化(httpから始まるアドレスになっているホームページアドレスをhttpsから始まるアドレスに変えて通信の暗号化を行う)
自社によるHP更新機能の導入社内でHPが更新できるよう、ブログ機能を導入する
外部SNSとの連携・X、Instagram、FacebookなどのSNSのリンクをHPに貼る

・各種SNSの投稿を自動でHPに表示させる
WEBサイト内での動画活用YouTube動画をHPに埋め込んだり、動画をHPに挿入する
(このHPのトップページは動画を挿入して自動再生しています
予約機能またはEC機能の導入、ECサイトへの誘導・HPに予約フォームを設置する

・HPから商品やサービスが買えるようにネットショップ機能を導入する

・別途ネットショップを立ち上げて、HPにそのネットショップへのリンクを貼る

令和5年度のIT化促進補助金はこの中から2つに取り組む必要があったのですが、令和6年度は1つになり、条件が緩和されました。

まだホームページをお持ちでない場合、1つは必ず取り組めると思いますし、要件を満たせば先着順で補助金交付対象になると思います。

既にホームページをお持ちであっても積極的に活用できていない、または長い間放置しているような場合、当てはまるものは1つはあると思います。

補助金交付対象となる経費

ここも詳しく書けばもっと色々あるのですが、僕が関わって知っている「ホームページ制作・改修(高機能化)」に特化してご紹介します。

外注費・委託費

ホームページ制作会社にホームページの作成を依頼するのはこれに当たります。

たとえばホームページ制作会社が補助金の申請者となり、補助金を使って外部の制作会社にホームページ制作を依頼するような事例は対象外となります。
通常業務として行っているような作業を外注することはできません。
ただし、専門外の分野であれば認められることもあるそうです。

謝金・サポート費

補助金で実施する内容に必要な場合に限りますが、外注・委託が発生することを前提に、コンサルタントに相談する際などに使えるのではないでしょうか。
経費の主は外注費・委託費なので、こちらを活用されるのはレアなケースかもしれません。

販路拡大を見込める経費

募集概要に対象経費は「導入効果として業務の効率化や生産性向上、販路拡大等が見込まれるものであること」と記されていますので、ホームページ制作で言うと上記の必須取り組み項目に取り組みながら販路拡大を見込める内容であれば、対象経費になるものもあるでしょう。

例えばホームページとネットショップを連携させることで、ネットショップ作成の経費も対象経費になった事例もあります。

補助金交付対象とならない経費

残念ながら以下の諸費用は対象経費となりません。

  • レンタルサーバーの費用
  • サブスク制のホームページ作成サービス(CMS)やネットショップサービスにかかる月額費用や年額費用
  • HPのデザイン変更のみなど、HPの高機能化に伴わないHP制作・改修費用
  • ネットショップのみの作成費用(HPが別で既に存在している場合)
  • 広告宣伝費

補助金の交付額

次のうちいずれか少ない額が上限となります。税抜きの計算で、1,000円未満は切り捨てです。

  • 補助対象経費の合計額の 2 分の 1
  • 10 万円

補助金交付例1が適用される場合

ホームページ制作会社にWordPressのアップデート作業を税込み55,000円で依頼した場合

税抜き50,000円の2分の1で25,000円の交付

補助金交付例2が適用される場合

ホームページ制作を制作会社に税込み33万円で依頼した場合

10万円の交付

ITコンシェルジュへの相談が必要

通常の補助金とおそらく異なる点は、ITコンシェルジュという豊中商工会議所から派遣されるITの専門家にIT化促進についての提案と承認を受ける必要があります。
ちなみに僕はそのITコンシェルジュの1人です。

他のITコンシェルジュがどうやってるかは知らないので僕のケースのみですが、補助金申請内容を色々伺って、ホームページ制作を依頼する制作会社が決まっているならその制作会社の見積もり内容をチェックしたり、ホームページ制作や改修の計画について、ここはもっとこうした方がいいとかアドバイスをして、申請書類作成のお手伝いを行います。

補助金に沿わない計画や相場を大幅に超えるようなお見積り内容であれば、お断りさせていただいたり別案を提案させていただくこともございます。

補助金審査の流れ

(1)事業者で補助金を使って行う内容の検討

まずは補助金を活用しようと思う事業計画の内容をご検討ください。

ホームページの制作・改修を依頼する制作会社が決まっているようでしたら、制作会社に内容を話しお見積りをもらっておいてください。

交付決定後の支払いでないと対象経費になりませんので、制作会社にすぐに支払いができません。
制作会社にはあらかじめそのことを伝えておいてください。

制作会社が決まってないようでしたら、ITコンシェルジュから制作会社の紹介や選び方のアドバイスを受けることができます。
ITコンシェルジュにホームページ制作依頼も可能です。

(2)豊中商工会議所に連絡

豊中商工会議所にIT化促進補助金を利用したい旨ご連絡ください。
ITコンシェルジュ相談を手配してもらえます。

(3)ITコンシェルジュ相談

ITコンシェルジュと日程を調整し、ミーティングを行います。

ミーティング場所は豊中商工会議所の会議室が主ですが、ご希望あれば事業所にITコンシェルジュが訪問して相談を行ったり、カフェ等での相談も可能です。

ホームページ制作について、わからないことやどうしようか悩んでいることなどたくさん質問して機会を活用してください。
相談時間は約1時間、最大2時間となります。

(4)豊中市役所産業振興課に申請書類を提出

豊中市役所HPのIT化促進補助金ページにある必要書類をダウンロードし、内容をご記入ください。

様式1-2「豊中市IT化促進補助金実施計画書」と様式1-3「豊中市IT化促進補助金予算書」はITコンシェルジュの署名が必要なので、内容記入後にITコンシェルジュに書類を送り、署名をもらってください。
Wordのファイルをメールでお送りいただければ大丈夫です。

ITコンシェルジュから署名した書類が返送されましたらその他の提出書類を揃えて豊中市役所産業振興課にご提出ください。

その他の提出書類には

  • 制作会社の見積書
  • 直近の確定申告書または開業届
  • 豊中市税に未納のない証明書

などが必要です。

「豊中市税に未納のない証明書」という証明書について、僕はこの補助金に関わって初めて知りました(笑)
市役所で取得できるそうです。(1通300円)

提出方法は直接持参、郵送、メール送付のいずれかの方法で提出できます。

報告書類を記入する際に申請書類の内容の一部を書き写す箇所がありますので、紙の書類を提出する際はコピーを置いておくと便利です。

(5)交付決定連絡後に発注、対象経費の支払い

豊中市役所から交付決定の書面が届いたら、依頼する制作会社に発注し、費用を支払い、作業を進めてもらってください。
交付決定前に発注してしまいますと対象経費となりませんので、ご注意ください。

豊中市役所に実績報告の際に必要経費の領収書が必要なので、支払い後、制作会社から領収書をもらっておいてください。
ただ、領収書がなくても銀行振込やクレジットカードの明細で代用することもできます。

申請申込から交付決定通知が届くまで最長1ヶ月半かかる場合があるそうなので、補助金申込期間の終わり際に慌てて申請しますと、交付決定までに日数がかかって十分な制作期間や事業実施機関が設けられない場合もありますので、間際にならないようご注意ください。

(6)事業が完了したら効果検証

この補助金には事業の効果検証期間が設けられています。
事業を行ったことでどういった成果が出たのかを検証する期間です。

例えば

  • レスポンシブ対応をしてHPを見に来た人の滞在時間や回遊率(色んなページを見て回る確率)が上がった
  • セキュリティ対策を行って迷惑メールが減った
  • HP更新機能を導入して自社のスタッフがHPを更新できるようになった
  • 外部SNSと連携してSNS経由でHPを訪問する人が増えた
  • HPにYouTube動画を埋め込んで動画のPVが増えた
  • HPに予約フォームを設置して予約するユーザーの利便性が高まった

などのようなプラスの効果が出たかどうかを検証し、その検証結果を報告する必要があります。

(7)実績報告書と交付請求書の提出

効果検証期間が終わりましたら実績報告書を提出します。

実績報告書と交付請求書(他の書類も一式)

交付の流れについては交付決定通知に同封される手引きをご参照ください。

(8)交付確定通知と請求書提出、補助金の振込

豊中市役所から交付確定の通知と交付請求書が届きます。
請求書を提出し、指定した銀行に補助金が振り込まれたら完了となります。

IT化促進補助金はホームページの高機能化に活用おすすめ

いかがでしたでしょうか?

面倒と言えば面倒かもしれませんが、これくらいの書類量と申請手順で最大10万円を補助してもらえるならコスパはいいと思います。
ITコンシェルジュが申請資料もチェックして記入方法をアドバイスさせていただきますし、サポートもさせていただくので、一人でわけがわからなくて抱え込むこともないと思います。

ホームページをまだ持っていない事業主さんにとっては、要件を満たせば先着順で採択されますし、既にホームページをお持ちの事業主さんでも、あまり機能や状態をわからずに運用している場合は一度ITコンシェルジュに相談して高機能化できるところがあるのか聞いてみるのもよいかと思います。

ホームページに使える補助金は多くないですし、他の市ではこういう内容の補助金はあまりないので、ホームページの高機能化を検討されている方はぜひご活用をおすすめします。
予算の範囲内で交付決定されますので、利用したい方は早めにご申請ください。

IT化促進補助金についてのお問い合わせ先

詳細についてはIT化促進補助金ページの募集概要のPDFをご覧いただき、ご不明点は補助金を管轄している豊中市役所産業振興課にお問い合わせください。

豊中市 産業振興課 (第一庁舎 5 階)
TEL: 06-6858-2188
E-mail: sangyoushinkou★city.toyonaka.osaka.jp (★を@に変えてお送りください)
開設時間: 平日 9 時から 17 時まで(土日祝・年末年始を除く)